“優秀な人”が会社を去る理由、見逃していませんか? 評価と給与が連動した仕組みで、社員が定着・成長する組織へ。

等級制度と評価制度、どう連動させるのが正解か?

  
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等級制度と評価制度、どう連動させるのが正解か?

中小企業の経営者からよく聞く悩み

「評価制度はあるけれど、それが昇格や等級にどうつながっているかは曖昧なんだよね…」
「等級を上げる基準を聞かれても、説明できなくて困っている」

このように、評価制度と等級制度の連動がうまくできていない企業は意外と多いものです。
せっかく評価制度を導入しても、それが昇格・キャリアパスと結びついていなければ、社員の成長実感や納得感にはつながりません。

この記事では、等級制度と評価制度をうまく連動させるためのポイントを、中小企業でも取り入れやすい形で解説します。

等級制度と評価制度が連動すべき理由とは?

~社員のキャリアパスと納得感をつくる制度設計の基本~

等級制度と評価制度は、人事制度における“車の両輪”ともいえる存在です。
それぞれ独立した制度のように見えるかもしれませんが、社員の育成や処遇を考えるうえでは、密接に連動させて運用することが不可欠です。

まず、等級制度とは、社員一人ひとりの成長段階や担うべき役割を明確にし、「いま自分はどんな立場で、何を期待されているのか」「次のステップに進むにはどんな力が必要なのか」といったキャリアの道筋を“見える化”する仕組みです。

そして、評価制度は、その等級や役割に対して「どれだけ成果を出したか」「どのような行動をとったか」を振り返り、成長や貢献度を確認するための仕組みです。

つまり、

  • 等級制度=役割の定義・キャリアの道しるべ
  • 評価制度=その役割をどれだけ果たせているかを測るもの

このように、本来はセットで機能させるべき制度です。

ところが、多くの中小企業では、この2つがうまく連動していないケースが目立ちます。たとえば、

  • 「等級の基準があいまいで、昇格条件が明示されていない」
  • 「昇格が経営者の感覚や年功で決まっている」
  • 「評価制度はあるが、結果が昇格や等級に結びついていない」

といった状態が放置されていることも少なくありません。

このような制度運用では、社員が“評価されても処遇が変わらない”“どうすれば上に行けるのかわからない”と感じてしまい、成長の意欲を失ってしまいます。

特に若手社員にとっては、キャリアの方向性が見えない状態が続くと、「この会社で頑張り続ける意味があるのか」と感じてしまうきっかけにもなりかねません。

したがって、評価制度を本当に機能させたいのであれば、等級制度としっかり連動させ、昇格・処遇の判断に活用できる状態にすることが必要不可欠です。

このあとの章では、評価と等級の関係をどうつくり、昇格の納得感と成長意欲を引き出す制度設計にしていくか、具体的な3つのポイントをご紹介します。

評価を昇格や等級アップに活かす3つのポイント

~中小企業でも実践できる、納得と公平性を高める運用方法~

等級制度と評価制度を連動させるうえで重要なのは、「評価をどう昇格や等級アップに反映させるか」という運用ルールを明確にしておくことです。
ここでは、中小企業でも無理なく導入できる3つの実践ポイントをご紹介します。

① 等級ごとに「求める役割や行動基準」を明確にする

最初に取り組むべきは、等級ごとの“求める役割”と“期待される行動”を明文化することです。
単にスキルや勤続年数で等級を区切るのではなく、その人が組織の中でどんな立場にあり、どんな責任を担うべきかを定義する必要があります。

たとえば、以下のような例が考えられます。

  • 等級1:業務手順に従って、基本的な仕事を自立して遂行できる
  • 等級2:後輩社員に対して業務を教えるなど、指導的な立場を担う
  • 等級3:チーム内の調整や判断を行い、現場をリードできる

このように「役割と行動」で等級の違いを明確にすることで、社員自身も「自分はいま何を求められているのか」「次の等級に上がるためには何が必要か」が具体的にイメージできるようになります。

等級ごとの定義があいまいなままだと、評価の基準そのものもぼやけてしまい、「どうすれば昇格できるのか分からない」と社員に思わせてしまう原因になります。

② 評価結果と昇格の関係をルール化する

次に重要なのが、評価結果と等級アップ(昇格)との関係を、あらかじめ明文化しておくことです。
昇格の条件が不明確なままでは、「上司の主観で決まっているのでは?」といった不信感を招く可能性があります。

たとえば、以下のようなシンプルなルールでも十分機能します。

  • 直近2期連続でA評価以上 → 昇格を検討
  • B評価が継続 → 現状維持(等級据え置き)
  • C評価が続いた場合 → 昇格見送り+指導・改善支援

このように、評価結果に基づいて**「どうなれば昇格につながるのか」「どんな結果だと据え置きになるのか」**という基準を明示しておくことで、社員にとっても評価制度や等級制度が“他人事”ではなく“自分ごと”として感じられるようになります。

さらにルールを設けることで、昇格判断の公平性・客観性も高まり、制度全体への信頼感が強まります。

③ 昇格は「任せられるかどうか」で判断する視点を持つ

最後に、昇格に関する評価運用の中で忘れてはならないのが、「高評価=自動昇格」ではないという視点です。
あくまで昇格とは、「次の等級で求められる役割をきちんと担えるかどうか」という“任せられるか”の判断基準に基づくべきです。

たとえば…

  • 自分の仕事はしっかりこなしている(S評価) → でも他者への影響力が乏しければ昇格は据え置き
  • 他メンバーを巻き込み、チーム成果に貢献している → 次の等級の役割を果たしていると判断されれば昇格対象

このように、「評価=結果や行動の確認」「昇格=役割を引き受けられるかの判断」として線引きすることで、評価制度をキャリア形成や人材育成とつなげる“経営ツール”として活用できるようになります。

3つのポイントを整理すると…

  • 等級制度は「役割と期待行動の定義」から設計する
  • 評価結果は昇格にどう結びつくのかを社員に見える形で示す
  • 昇格は「点数」よりも「任せられるか」を重視する

このような運用によって、評価制度と等級制度のつながりが生まれ、社員の納得感と成長実感を両立できる制度が実現します。

まとめ|制度の“つながり”が、社員の納得感と成長意欲を引き出す

等級制度と評価制度は、それぞれ独立した仕組みではなく、本来は密接に連動して運用されるべき関係性にあります。
評価制度は、社員が“今”担っている役割に対して、どのような成果や行動を示したかを確認するための仕組みです。
一方、等級制度は、“これから”どのような役割を担っていくべきかという、将来に向けた期待を示す指標です。

つまり、

  • 等級=いまのポジションで求められる役割や責任の定義
  • 評価=その役割に対して、どれだけ応えられているかの確認
  • 昇格=次の等級で求められる役割を任せられるかの判断

という関係性があるのです。

この3つがきちんと連携して設計・運用されていることで、社員にとっても「今の評価がどう処遇につながっているのか」「今後どこを目指せばいいのか」が明確になり、納得感のある制度・やる気の出る仕組みとして機能します。

逆に、評価と等級、昇格の基準がバラバラに存在していたり、運用の基準が不透明だったりすると、社員にとっては「なぜ自分がこの評価なのか」「なぜあの人が昇格したのか」が分からず、制度への不信感やモチベーションの低下につながりかねません。

制度をつくる・見直す際には、「評価は処遇とつながっているか?」「等級や昇格の基準は評価に裏づけされているか?」という視点を持つことが重要です。
制度同士をつなぎ直すことで、評価は単なる点数付けではなく、社員の未来を描く“キャリア支援ツール”へと進化します。

御社の評価制度・等級制度は、社員の成長と納得感につながっていますか?
ぜひこの機会に、一度立ち止まって見直してみてはいかがでしょうか。

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